
お守りとして使ってほしいジュエリー
誤解を恐れずに言うと、女性が指輪を1つ着けて、見違えるように美しくなる事はないと思うんですよ。(笑)
でも、「私はこれを着けているから、今日は大丈夫!」と思えるのって、実は、美しくなる秘訣のひとつではないかと。だから、そういう気持ちを少しでも引き出せる「お守り」のようなものを作りたいと思っていますね。
世界の歴史においても、ジュエリーに込められた「お守り」とか「メッセージ」的な要素は、脈々と受け継がれているんじゃないかな。
たとえば、その人の身を守るべく、怖いモチーフがついているジュエリーなどは、世界的に見られるでしょう。それから、「いつ死んでも良いように、覚悟をするように」という「メメント・モリ」の思想が込められた、骸骨のリングなんていうのもありますね。愛する人の髪を閉じ込めたネックレス、並んだ宝石の名前の頭文字がメッセージになったリング・・。
特に若い方なんて、どんなジュエリーを着けても似合うんですけど、そんな方々にも、使い捨てのファッションとしてではなく、原始的なお守り気分を感じていただけるようなジュエリーを作りたいと思いますね。
「見て可愛い」から「着けて可愛い」へ。
僕がジュエリーを作り始めて 20 年以上になりますが、今思えば最初は、「作品」を作っていましたね。ギャラリーを借りて、展示して。アートジュエリーと言うのでしょうか。
いわば、形だけを追い求めてましたから、置いてある姿は結構良いんですけど、実際に着けると、誰にも似合わない。
その頃、あるお客さんに「素敵なデザインが多いけど、私が着けられるものが何もない!」と言われて。次回の展示会にどういうものを作ったら、その方にも着けていただけるか。1年間いろいろと考えました。1年後?無事買っていただけました。(笑)
やはり皆さんにずっと使っていただく為には、着けて可愛いものであるべきですから。年々、感覚的な勘を働かせて、どんどんデザインを変えていっていますね。作ったものが、買っていただいた人にぴったり似合っているのを見ると、やみつきになります。
「二度と手に入らない宝石」選び
最近は、石を使ったジュエリーを多く作っています。年に2・3回は買い付けに行くのですが、石を選ぶポイントは<1:値段> <2:二度と手に入らないかもしれないもの>でしょうか。
僕が作っているジュエリーのほとんどは一点ものですから、高価すぎる石を使うと、ジュエリーにした時に、手に入れにくい金額になってしまいます。それではつまらないな、と。
そして、一点ものだからこそ、二度と手に入らないかもしれない石を選んでいます。原石で不定形をしていたり、変わったカットだったり。
普通の制作者は手にしないような石かもしれないけど、僕はそれを手にした時、だいたいその石のプロポーションを生かす事のできるデザインが頭に浮かんでいます。
繊細なアンティークレースのような細工。
宝石を包む細いシルバーの台座は、不定型の宝石を使うのに向いているので、開発したデザインです。それに、透明な石から模様が透けると綺麗でしょう。
これは、ワックスっていうロウソクのような素材を使って作るんですけど、僕は昔から、びっくりするほどワックスを細工するのが早いんですよね。僕が1点ものを作るには、向いている素材だと思っています。
このデザイン、石の形が複雑になればなるほど、面白くなっていくんですよ。装着時に軽いようにとか、できるだけシンプルにとか、周期的にデザインを変えています。
ハンモックがあるアトリエの完成。
もともと 3 畳半ほどのアトリエを持っていたんですけれど、去年、改装して、ロフト付きの大きいアトリエをつくりました。
機材を置く場所がほしかったし、人が集まれるようにしたかったし、何より・・・昔からずっと「ハンモックがあるアトリエが欲しい」って言ってたんですよ。
新しいアトリエができてから、仕事を集中してできるようになったし、人が集まるようにもなりました。皆、居心地が良くて、長居していきますねえ。
ただ、あんまり居心地が良いと、仕事にならないものですから。最近は、アシスタントの子に、ハンモックは禁止されています。(笑)
ランチは、中庭と言いますか、アトリエと住居の間のウッドデッキで食べています。良い息抜きになりますね。この時期(冬)は寒いから無理ですけど。妻の友達が、「アウトドア用のストーブを買いましょう!」っておしゃったりするんですけどね。こうなったらもう、中庭をカフェにしちゃおうかな(笑)
ただの、「ものを作る人」であり続けたい。
僕は、とにかく「ものを作る人」でありたいと考えています。古いとか、新しいとか、そういう事にもこだわりたくない。歳をとったデザイナーが、「私のここが古い」「まだまだいける」とか言ったりしてるのを聞く事があるけど、そういうものとは関係ないところでやっていきたいですね。
今回、こういう風に WEB に出展する事になりましたが、新しい試みなので、どんな事が起こるのかとても楽しみにしています。本当は、皆さんの顔を見て、販売したいと思ったりもするのですが(笑)。
買っていただいた方から、メッセージでも写真でも、感想がいただけたら嬉しいと思っていますので、気が向いたらどうぞ、よろしくお願いいたします。
( 2007.11 アトリエにて)
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