
特徴のある色合わせ。
おさいふは、革にカットワークをし、ミシンでステッチを施して作っています。ミシン糸もそれぞれの革に合わせて、変えて縫っています。
「革の色合わせに特徴がある」と言われる事がありますが、革は、私にとっては、絵の具の代わりのようなもの。質の良いカーフやキッドを、実際に目で見て、触れて選んでいます。
その色合い、手に持った時の質感と重量感。また、人の手で使われる事でさらに変化していく姿に、革ならではの魅力を感じています。
今は、そうやって自分の目で素材を選び、ひとつずつじっくりと作っていきたいと考えています。
絵を描くようにして作る「おさいふ」。
自分の中では、おさいふを作っているという感覚はありません。絵を描いているという感覚の方が近いのではないでしょうか。日常のささいな事柄や風景が好きなので、動物や植物をモチーフにする事が多いです。
おさいふの図案を思いめぐらしながら、どんどん革をカットしていきます。そうして、切った革をレイアウトしながら、決めていきます。
「ひとつの絵を、ある人のポケットにひとつだけ」というのが私の思いなので、頭の中に浮かぶ風景を、1シーンずつおさいふにしています。
絵本のような本の出版。
本を出版することができたのは、紙と布のグラフィックデザイナーさんから声をかけていただいたのがきっかけでした。その方に本のデザイン全般をお願いして、現在、2冊出版しています。
本をつくり上げていく行程は大変でしたが、とても楽しいものでした。
ひとつのものを共同でつくりあげていく事を新鮮に感じ、他の方と組んで仕事をする魅力に気づいたお仕事となりました。
出版社の方やデザイナーの方に助けていただいたおかげで出版が実現し、本を買っていただいた方から、「絵本みたい!」という反応が返って来たときは嬉しさを感じました。
ただのハウツー本ではなく、見て楽しめる本にしたかったので。
結婚、出産を経て。
最初は自宅で制作をしていた私がアトリエを借りたのが7年前くらい。その時、私のアトリエと同じ建物にあった版画工房の版画刷り師と出会い、結婚しました。彼もまた、創作活動をしています。<写真>
時にはスタッフ(笑)として協力し合いつつ、共にゆったりとしたペースでものづくりをしています。
結婚しても、私の制作のスタンスは変わりませんでした。逆に、前よりも、時間を有効に使えるようになったかもしれません。
今、2歳の子供がいますが、出産前後は、友人や家族が制作を手伝ってくれました。それがあったから、今の今まで、楽しんで展覧会を続けてこられたのだと感謝しています。
この先の確固たるビジョンなんてないのですが、昔から、自分がおばあちゃんになった時のイメージだけはあります。おばあちゃんになっても続けている手仕事の作品を展覧会で発表して、「これどんな人が作ってるの?」と聞かれて。意外にもおばあちゃんだった!というのが理想の風景です。(笑)
自分の手から何かを創り出すのが好きだから、きっとそうなっているような気がします。
SALONE AOYAMAを訪れた方へ
おさいふは、私から皆さんへの贈り物と思って作っています。皆さんの毎日にご一緒するものなので、楽しい気分でポケットに入れていただければ嬉しいです。
私のおさいふを持っていて、「おさいふ見せてください」とお店の人やお友達に声をかけられたり、同じように私のおさいふを使っている知らない方からレジ前で声をかけられたり、というようなコミニュケーションが生まれているという話も、何度か聞いた事があります。
私の知らない所でそんな風に輪が広がっていくのは、本当に嬉しい事だな、と思っています。 (2007.12 自宅の作業場にて)
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